「ほっかほっか電信」 第2回 永井ミキジ
かれこれ「ベンチウォーマーズのほっかほっか通信」を連載させてもらってから数年。毎号誌面ではお届けできなかった裏話をメンバーの永井ミキジがこちらで書かせていただきます。
今号(106号)は昨年に引き続き「食ってる人のカレーガイド2015」と題して、カレーを人並み以上に食べている人たちと、この1年食べてきたカレーについて色々と話しました。
今回もこの1年で食べた美味しい店ベスト3を参加者に挙げてもらいました。ベンチメンバー島田真人(通称カレーの島田)がベスト3にあげたお店の一つ、上石神井の「ふんだりけ」は誌面で書いたとおり情報があまりなく、ネットで調べても営業日・営業時間・住所がわからず、実際に島田さんが何度も足を運んで、8度目の正直で食べることができたらしく、その後も店頭で知った営業時間に足を運んでも臨時休業していることが多々あるそうで、座談会でも「もう閉まってると思って行って欲しい」というよくわからないアドバイスをしていました。後日、島田さんに営業している確率の高い条件を教えてもらって行ってみたのですが予想通り臨時休業でした。
仕方なく外観だけ撮って帰ってきました。上石神井周辺には他に目立ったカレー屋がないので、もし臨時休業の場合は隣駅の上井草、井荻に「キッチン南海」、バスで西荻窪に移動すれば美味しいカレー屋もあるので、なんとか心のダメージを緩和してください。
ところで島田さんはカレーを愛するがゆえに巻き起こる逸話が多い人です。僕も彼とカレーを食べに行くことが多いので、そういうシーンに立ち会うことは日常茶飯事。メニューにないコーヒーが食後に出てきたり、入店するやいなや厨房から店主が挨拶にきたり、休業した店の内部事情に詳しかったり……。以前連載していた「こフイナム」というサイトにも何度か“カレーの島田”について書いてるので興味のある方はぜひ。
スペシャルゲストのひとり井上ダイスケさんは島田さんとはまた違った個性でカレーを楽しんでいる人で3人でカレーの話をするとバランスがよく、座談会ではとてもありがたい存在です。彼がベストにあげた「仮)BLOCK HOUSE 水曜カレー」は僕も何度か行きましたがすごく美味しかったです。現在は営業が不定期なので気になる方はfacebookで確認してから行ってください。店主は色々なイベントでもカレーを出されてるので、そちらに足を運ぶのも良いと思います。
カラスヤサトシさんはお誘いしたときに、「なかなか忙しくて新規開拓ができてない……」ということでしたが、ご自身のマンガで登場するご本人そのまま、カレーにまつわる話も面白く座談会になくてはならない存在。初参加の熊谷文明さんもカラスヤさんのカレー本の担当編集者だけあって、とてもカレーに詳しいので座談会に参加をお願いしました。昨年に引き続き今年もご協力ありがとうございました。
そういえば、カラスヤさんとは住んでいる地域が同じなので、近所でカレーを食べると「カラスヤさんはここ食べたかな……」とか、変な空間があると「カラスヤさんはここチェック済みかな……」と余計なことが頭に浮かぶのですが、これだけ近所なのにバッタリ遭遇することがなく、この座談会で今までため込んでいた、ど~でもいい地元情報をついつい話してしまいます。
例えば……今年はモノマネ芸人ゆうたろうさんが経営していた「ボスコ」の跡地に、ビートたけし公認モノマネ芸人ビトタケシさんが経営する「ボスコ・ビト」がオープン。昔々、店の近くにあった「ダイアン」というカレー屋のサラダカレーのレシピを引き継ぎ、お店で提供しているのだが「ダイアン」があったのが何十年も前で店内にも「ダイアン」の情報があまりなく、8年近く住んでる自分でも、ありがたみが全くわからないという話をしたのですがローカル過ぎて本編ではボツにしました。
ビトタケシさんは空手有段者だそうで女子に教える空手エクササイズ「美人空手」の生徒募集の張り紙が店内貼ってあった。店を出たあとに美人(ビト)空手と読むことに気がついてハッとしてしまった。
さてさて、次号は「旅」をテーマにした特集になります。近所にぷらっと散歩から地球の裏側までメンバーが旅に関する色々をお送りします。
最後に僕があげたベスト3のカレーを紹介します。なぜこのお店をえらんだかは是非誌面をご覧下さい。
永井ミキジ プロフィール
グラフィックデザイナー・アートディレクター
http://www.mikiji.tv/
あらゆるジャンルが集まった集団ベンチウォーマーズのデザイン担当。メンバーは永井ミキジをはじめアックス作家の堀道広、齋藤裕之介、イラストレーターの菱沼彩子、ライターでありカメラマンの成田敏史、編集担当のビキニライン、カレー担当の島田真人の7人で構成。